結論を述べれば、LACには本書のラテンアメリカの定義には含まれない、主に英語圏の国や地域が入っています。中米であればベリーズ、カリブであればジャマイカ、南米であればガイアナが例として挙げられます。これは日本語で言う中南米(第1章コラム)と同じです。
M49基準を細かく見ると、興味深い特徴が見出せます。この基準によれば、LACとは「カリブ」「中米」「南米」という3つのサブ地域で構成され、南北アメリカ大陸でLACに含まれない地域は「北米」であるとされています。「北米」には米国やカナダなど5つの国と地域が入っており、ここでもやはり、南北アメリカ大陸を米国・カナダとそれ以外で分けて考える中南米の考え方と同じです。
中南米の大きな問題の1つにメキシコの扱いがあります。メキシコは地理区分上は北米に入るのに、中南米に属するとされることで、メキシコは中米の国だと誤解されることがよくあります。そこで、メキシコに着目してM49基準を確認すると、やはりメキシコは「中米」に属することになっています。
このように、中南米とLACは同義と捉えてよいのですが、中南米の対概念である北米と、LACと対概念である「北米」には大きな違いが1つあります。それはグリーンランドの扱いです。日本語で北米と聞いてグリーンランドを想起する人はまずいないと思われますが、国連の「北米」にはグリーンランドが含まれています。実際、地理的な区分においても、グリーンランドは北米大陸の一部とされます。メキシコの扱いとは対照的に、グリーンランドは地理的区分に沿った分類がなされていると言えます。