『現代ラテンアメリカ政治』 村上勇介・出岡直也・山岡加奈子編『現代ラテンアメリカ政治』刊行
村上勇介・出岡直也・山岡加奈子編『現代ラテンアメリカ政治』(法律文化社、2025年)が刊行されました。「地域研究のファーストステップ」シリーズの一冊として、ラテンアメリカ政治をこれから学ぼうとする学生・院生に向けて書かれた入門テキストです。
以前このブログでは、「せかラテ」と、アジア経済研究所の『現代ラテンアメリカ政治を読み解く』をセットで紹介しました(『現代ラテンアメリカ政治を読み解く』-『世界の中のラテンアメリカ政治』)。アジ研のテキストは『せかラテ』をベーシック編と位置づけた「アドバンスト」なテキストだったのに対して、この『現代ラテンアメリカ政治』は、せかラテとは独立したプロジェクトとして企画された、もうひとつの入門書です。
この書籍の特徴は、次のような点を端的に押さえている点にあります。
- ラテンアメリカ「全体」ではなく、
メキシコ/中米・カリブ/アンデス/ブラジル/南米南部といった
サブリージョンごとの政治史と現在の課題を丁寧に整理していること - 個々の各国史の流れに少し踏み込んで、
20世紀後半から現在までの転換点を追えるようになっていること - 米国との関係だけでなく、中国・ロシア・欧州・日本、
さらには新興・途上国との関係の広がりを一冊の中で俯瞰できること
『せかラテ』は、ラテンアメリカ政治の基本概念と長い時間軸を描くことをねらいにした本でした。それに対して『現代ラテンアメリカ政治』は、そこから一歩進んで、
- 「各国・各地域の動き」をもう少し具体的に知りたい
- ラテンアメリカと他地域(アメリカ合衆国、欧州、アジア、新興・途上国)の関係を俯瞰したい
という読者にとってちょうどよい位置づけになっています。
両方あわせて読むことで、「せかラテ」でラテンアメリカ政治の全体像と概念の骨格をつかみ、『現代ラテンアメリカ政治』で各国・各地域と国際関係の広がりを補うことで、ラテンアメリカ政治を多層的にイメージできるようになるはずです。
